関係性をさらに良くする
「断り方のマナー」
ビジネスシーンでは様々な「お誘い」があります。
社内や取引先、それほど親密ではない間柄、出会って間もない方など、
関係性も多種多様です。しかし、そのお誘いに対して都合がつかない場合や、
関係性を考慮して断らざるをえないシーンが出てきます。
今回はそんな時の「断り方のマナー」をお伝えします。
関係性をさらに良くする
「断り方のマナー」
ビジネスシーンでは様々な「お誘い」があります。社内や取引先、それほど親密ではない間柄、出会って間もない方など、関係性も多種多様です。しかし、そのお誘いに対して都合がつかない場合や、関係性を考慮して断らざるをえないシーンが出てきます。今回はそんな時の「断り方のマナー」をお伝えします。
相手が誰であれ、また、どんな内容であれ、せっかく誘ってくれた方にお断りするのは、相手の気持ちを無下にするようで躊躇してしまいます。その理由は、断ることで人間関係に角が立つのではないかと不安に感じるからです。特にビジネスシーンにおいては人間関係が重要になるため、できるだけその関係性を良好に保ちたいと考えるのは当然です。とは言え、あらゆる誘いに「イエス」と答えるわけにもいきませんし、「ノーと言ってしまえば、人間関係がピンチに陥るのではないか」と頭をよぎるのも事実です。そんなピンチの時は、実はチャンスの裏返し。断り方のマナーを上手く活用すれば、人間関係にヒビが入るどころか、より良好な関係性を築くことができます。
その最初の一手が、「残念な気持ちを相手に伝えること」です。断る際にはまず、「ぜひ参加させていただきたいのですが」「せっかくお声がけをいただいたのですが」「ありがたい機会なのですが」といった言葉を使います。この時、本当に残念そうな表情を見せることもポイントです。「誘われたのに参加できず残念に思っている」と相手に伝えることができれば、誘う側としても納得しやすくなります。
また、断りは先延ばしにしないことも大切です。特に飲食を伴うイベントなどの場合、座席や料理の人数を確定して予約しなくてはならないため、返事を先延ばしにすると誘った側が困ってしまいます。参加できない・参加したくないという意向があるならば、その場で返事をするくらいの気持ちで、早めに断るようにしましょう。思わせぶりな態度はマナー違反です。
断る理由を明確に伝えることも大きなポイントです。例えば、「現在抱えている案件で手一杯のため」「学生時代の恩師との先約がかなり以前より入っているので」「急ぎの仕事が突然入ってしまい、今日中に仕上げないといけないので」のような形で、具体的に断らざるをえない理由を伝えると説得力がアップします。私用の内容を具体的に伝えたくない場合は、「どうしても外せない用事」と表現しても問題ありませんが、少しだけでも具体的な理由を添えるのがマナーです。
断り方のマナーとしてNGなのが、すぐに嘘だとわかるような、取ってつけたような理由を言ってしまうことです。断る際に嘘を盛り込む必要性が出てくることは仕方ありませんが、すぐに見破られてしまうような嘘は誘ってくれた方に不快感を与え、信頼関係にも影響が出てしまう可能性があります。「親が急病で入院した」「旧友が突然上京した」「自宅のトイレが故障した」のような理由は、相手も嘘ではないかと勘ぐってしまいます。この場合は具体的には表現せず、理由をうまく“ぼかす”ことです。家族の急病などを理由にするならば「家庭の事情で」、突然の用事の場合は「急な差し支えができて」、自宅の故障などの場合は「よんどころない事情で」と表現することで、相手に不快感や不信感を与えにくくなります。断る理由は具体的な方が説得力は増しますが、ぼかした表現を用いる場合が適切な時もあります。
せっかく誘ってくれたのに、断ってしまうのは心苦しいものです。そこで、断る際に代案を用意すると、相手も不快な思いや不信感を抱かずに済みますし、自分自身の心苦しさも軽減されます。「いまの仕事が一段落ついた頃に、お誘いさせていただいてもよろしいでしょうか」「来月に入れば落ち着くので、その頃にお声がけしてもよろしいでしょうか」といった具合に、今回断る代案を提示しましょう。断り方のマナーを上手に使えるようになれば、好感度や信頼度をさらに向上させることもできるのです。